第6章 誘拐
ルーシィside
ル「テオ…!」
身体が動かない…!!
テオを助けなきゃいけないのに…。
気絶したテオを、刀を持ったやつが担ぎ上げた。
ル「テオ…!離しなさい、この……!」
ジ「ああ、もう暴れないで頂戴。ちゃんとお仲間さんのとこに連れて行ってあげるから」
ル「っこのっ……」
かろうじて動かせた足で思い切りジェスティの背中を蹴った。
ジ「ぐっ…」
ジェスティがうろたえ、あたしを抱えている腕が緩んだ。
やった、とばかりに腕を抜け出――せなかった。
ジ「ふざけるな」
ジェスティの膝が、お腹にクリーンヒットしたから。
ル「くはっ…」
またもや呼吸困難に陥ったあたしを、ジェスティは冷ややかに嗤いながら見下ろした。
ジ「ひとつ教えてあげる。あの銀髪、あんたがいなければ逃げられたかもしれないのよ」
な、なに…?
劉「あー…でた、ジェスティの精神破壊癖」
ジ「あの子が私達と本気でやりあったら、私達でも勝てるかわからない。でも、今回はラッキーだったわ」
ル「ラッキー…?」
ジ「決まってるじゃない。あんたっていう…
・・・・・
天然の足枷がいてくれたってことよ」
ル「なっ…!!」
フ「あー、あるね、それ」
ジ「つまりね…、私達が滞りなく任務を遂行できたのは、
あんたのおかげだからってことよ」
…う、うそ…あたしの…あたしのせい…?
テオが…捕まったのは…あたしの…せい…?
ル「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」