第11章 天然と鈍感
「こいつらの話は置いといて…
おはよう」
「相澤先生包帯取れたのね、よかったわ」
楓風はドアの前でフリーズしたまま動かないが、もうクラス一同が
楓風は驚くと固まることを把握していたため、誰も何も突っ込まず、平然と相澤も話を始めた。
(なんっだこの光景、シュールすぎるだろ)
と爆豪ただ一人が普通の人が思うであろう感想を抱くのだった。
普段は明らかに普通の思考回路ではないのに。
「婆さんの処置が大袈裟なんだよ
んなもんより、今日のヒーロー情報学はちょっと特別だぞ
コードネーム…ヒーロー名の考案だ」
「「「胸膨らむやつ来たぁああああ!!」」」
クラス一同が興奮で声をあげると、楓風は一瞬ビクッと肩を揺らしたあと、静かに席に着いた。
((あ、戻った))
そして相澤は、ヒーローネームの考案はこれから始まる職場体験に必要だからだと説明し、プロからの指名の集計を発表した。
「例年はもっとバラけるんだが…
今回は注目が三人に偏った」
轟 4123
成瀬 3986
爆豪 3556
・
・
・
「だー!白黒ついた!!」
「見る目ないよね、プロ」
のけぞり反って叫ぶ上鳴、ぷんぷんという効果音が今にも聞こえそうな青山。
『え、やったぁ…ってか勝己一位なのにねあはははははは』
「見事二位三位に抜かされてんじゃん
まぁ表彰台に拘束されたやつとかビビるもんな…」
「ビビってんじゃねぇよプロが!!!」
と席を立って今にも手汗が爆破しそうな爆豪に、
楓風がすかさず茶々をいれた。
『ほらそういうとことか!!』
「てめぇは何ちゃっかり話に入ってんだ!!」
ぎゃあぎゃあと動物園のようになると、
相澤が個性を発動させ、一瞬で静まりかえった。
ついでに姿勢も正しくなった。
「これを踏まえ、指名の有無に関係なく
いわゆる職場体験というものにいってもらう」
そして相澤の話に被せるようにミッドナイトが入って来た。
(あぁ、たしかに相澤先生センスの欠片も無さそうだもんね!!(失礼)
イレイザーヘッドはかっこいいから多分誰かにつけてもらったんだろうなぁ!!(失礼)
そういうのはミッドナイトに任せるって感じね)