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【ヒロアカ/轟焦凍】私のヒーロー、君のヒーロー

第11章 天然と鈍感


月曜日。外は雨が降っていた。
体育祭も休みも終わり、今日からまたいつも通りの学校が始まる。
ただ、楓風達にとっては今までとは違う、新たなスタートだった。


『…ねぇ、学校行くときはやめようよ
恥ずかしいしめっちゃ見られるよ~…』

いつも通りだと思っていた楓風は驚いた。
なぜなら、焦凍が極当たり前のように手を繋いで、軽くキスをしてから歩き出したからだ。

「楓風は…嫌か?」
と子犬のような目をして楓風を見つめる。
『…嫌なわけないじゃん!!』
するとちょろい楓風(15)は許可するしかなくなるのだ。

(可愛すぎんだろ…。

手繋いでおかないとすぐに楓風のファンに捕まるし、じろじろ見られてんだ
楓風を見ていいのは俺だけなのに)

そして日に日に独占欲とドS感が増していく焦凍だった。




焦凍のお願いは断れない楓風は、結局手を繋いだまま、そして相合い傘のまま到着してしまう。
教室に入れば、案の定騒がれた。

「「「お前ら付き合ったの!?!?」」」

「あぁ、付き合った」
と手を離さないまま答える焦凍。

そしてなぜかフリーズしている楓風に、クラス中の視線が集まった。

その楓風が発した言葉は、
鈍感さがわかる、とんでもない一言だった。



『………え、付き合ってたの…………?』









「「「「「…………………は?」」」」」

クラス一同、開いた口が塞がらない。

ドアの前で

席につけと注意しかけた相澤すら

声が出ずに固まっている。

「楓風ちゃん、それいい加減ネタだよね…?
ネタだと言って…。
轟くんが可哀想すぎる…」

「…なんとなくそうだろうなとは思ってた

じゃあ付き合ってないのにキスとか手繋いだりされてたと思ってたのか」
轟は疑問に思い、平然と自身の行為を公にする。

「もうそんなことしたのかお前ら」
「手はやい」

『…え、それはいつもそうだったじゃん!!
高校なってからはなかったけど』

「…は!?」

1A一同の疑問はさらに募るばかりだった。



「…お前らまだ付き合ってなかったのか
俺はもうそれに驚いた

…時間なってるぞ全員席につけ」

そして先生の的確な質問。
楓風はとどめを刺されたように動かなくなった。
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