第11章 天然と鈍感
「楓風てめぇ失礼なこと考えてんだろ」
『ぅえ!?まさかそんなハハハ…』
そして早速考える時間となった。
(一応決めてたのがあるけど…
ほんとにいいかなぁ、ちゃんと自分らしさ出てる??
焦凍は遠いからアドバイス貰えないし、隣は絶対相談しちゃいけないやつNo.1だし…。)
悩んだ末、結局楓風は決めていたものを書き込んだ。
そしてまさかの発表形式。
15分たつと、決まった人から順に前で発表しなければならない。
皆が躊躇する中、青山が立ち上がった。
(おぉ、謎の青山くん勇気ある…
でもなぜか嫌な予感しかしないよ!?)
「行くよ…
輝きヒーロー
I can not stop twinkling!!(キラキラが止められないよ☆)」
と一発目がまさかの
突っ込みどころありまくりの短文。
そして二人目の芦戸もモンスターを連想させるような名前で止められてしまっていた。
最初に変なのが来たせいで、皆が行きづらくなってしまった。
すると娃吹がお手本のように完璧で可愛い名前を発表してくれたため、流れが変わった。
(さすが梅雨ちゃん…!!
ありがとう、今のうちに私も)
楓風は娃吹に続くように前に立つと、一度息を吸い込んでから
トン、と立てた。
『私も考えてたのなんだけど…
エアリー…です!!』
「さすがね!!可愛くて呼びやすいし、何より分かりやすくていいと思うわ!!」
そして二人のおかげで完全に流れが変わって、着々と決まって行く。
「ショート」
「名前?いいの?」
(ふふ、焦凍らしいなぁ)
なんて思いながら微笑んで見つめると、目が合って軽く笑い返してくれた。
すると自信満々に席を立ち、ドカッ、と立てると
「爆殺王!!!」
とガスガスの声で堂々と発表した。
『えぇ、ヴィランかよ…』
そして先生に秒で反対されてしまっていた。
『やっぱ私の見込み通りセンスないねっ!!』
「いや成瀬さんドストレートに言うね」
『才能マンなのにどうしちゃったの??
あ、私考えてあげよっか』
言い返す言葉がないのかわなわなと震え、ペンを握り潰そうとする爆豪。
『んん~、爆ちゃんとかでいいじゃん可愛い系の!!ギャップ萌えってやつ!!』
「てめぇバカにしてんのか!!!」
爆豪のみ再提出という形になり、無事(?)皆が決まった。