第7章 恐怖
オールマイトが脳無を撃退した後、
今度は死柄木と黒霧がオールマイトに攻撃しようとする。
オールマイトは、脳無が強すぎたあまりにダメージが酷く、マッスルフォームを維持することが限界だった。
このままでは殺されてしまう。
楓風達はオールマイトが脳無を倒したことで、次も大丈夫だろう、と安心してしまっている。
何より、邪魔をしてしまってはいけない、と配慮しているのだ。
「流石だ…
俺たちの出る幕じゃねぇみたいだな」
『…うん。私達とは比べ物にならない位強い…。』
「緑谷、ここはもうひこうぜ
却って人質にされたりしたらやべぇし」
みんなのいるところへ戻ろうとする四人。
ただ、オールマイトの秘密を知る緑谷だけが動けずにいるのだった。
他のヒーロー達は、まだ来ない。
助けられる人は、他にいない。
オールマイトに近付いて攻撃を仕掛ける敵。
緑谷は、目にも止まらぬ速さで飛び出した。
「なっ…緑谷!?」
「オールマイトから離れろ!!」
黒霧に殴りかかると、靄の中から死柄木の手が出てきた。
「二度目はありませんよ…!」
緑谷の拳を掴もうとする死柄木。
ギリギリのところで、
銃声が響き、死柄木の手が撃たれた。
「ごめんよ皆、遅くなったね
すぐ動ける者をかき集めてきた」
そこにはたくさんの雄英教師と飯田がいた。
「1-Aクラス委員長、飯田天哉!!
ただいま戻りました!!」
飯田の声が響き渡る。
「あーあ来ちゃったな…ゲームオーバーだ
帰って出直すか黒霧…」
ヒーローが来ると同時に、ワープしようとする敵。
そこを銃で撃たれ、死柄木は呻き声を出す。
今度は殺すぞ平和の象徴オールマイト、と言いながら、二人の敵は去って行った。
プロが相手にしているものを知り、
((…なにも、出来なかった…。))
自分たちの無力さを改めて感じるのだった。