第6章 関係
*楓風side*
チャイムがなって、女子トークは終わった。
さっき、私は皆に嘘をついた。
"告白されたことがない"と。
小学校のトラウマ…一時モテてしまったことが原因でいじめにあったこと。
そして中学にあがってトラウマを克服しようとしたが、やっぱり告白は全て断り続けてしまった。
付き合ったことがないと言うのは本当だ。
恋愛というものがトラウマになってしまっていて、それを克服するために、ためしに誰かと付き合ってみようとした。
でもいざとなると怖くて断ってしまった。
それにいつも、私の頭の中には一人の男の子の顔があったから。
(みんなには心配かけたくない。
プライドもそうだけど、私は私で頑張れるから…!!)
焦凍と再会して、勝己に色々助けて貰って、私の中にずっとあった「トラウマ」はいつの間にか消えていった気がする。
今はもう、周りの子たちや、漫画みたいな恋愛をしてみたい
とも思えるようになっている。
(…まぁあんな脅迫みたいな壁ドンは怖いだけだったけどね!!
それに勝己は普通に友達だもん、お互いに!!
そしてみんなに言われまくったけど、私は鈍感なんかじゃない…!!)
「…じゃあ準備したら順次バスに乗り込め」
またやってしまった。
考え事に集中していたから話を聞いていない。
次はヒーロー基礎学だと言うのに…。
(まぁ多分戦闘服着て周りに合わせとけばなんとかなるよね、きっと!!)
と、本当に推薦かよ、と言われそうな行動をしてしまうのだった。