第4章 友達
食べ終わって教室に戻ろうとしたとき、離れた席にいる爆豪を見つけた楓風は、そのままなんの躊躇いもなく近付いて行った。
『爆豪くん、朝はごめんね。
後でもう一回、ちゃんと話さない??』
伝えたいことだけ、簡潔に述べた楓風を爆豪と切島達は数秒見つめた。
(楓風ちゃん、勇気あるよな)
(強い、全く怯まない…)
「…チッ、ごめんとか本当は思ってねぇ癖にいってんじゃねぇ!!
他に話すこともねぇだろクソが!!」
『…ううん、私が話したいことあるの。
気に触るならごめん、でもどうしても譲れないものが、私にもあるから』
先程まで笑みを浮かべて話していた楓風だったが、そこにはもう作り笑いはなかった。
それだけ話すと、爆豪の返事をきくこともなく去っていった。
「…ハッ、聞いてやるよクソ女!!」
「爆豪、お前多分喧嘩売る相手間違えたぞ」
(…薄っぺらい気色わりぃ顔してる奴は嫌いだ、
やっとやめて本心ぶつけてきやがった
面白れぇ、付き合ってやるわ!!)
爆豪の楓風に対する気持ちは変わりつつあった。