第4章 友達
午前の授業が終わり、二人は食堂にきていた。
昼休みは、楓風は女子よりも焦凍と過ごすようにしている。
今日もいつもの席で、焦凍はざるそば、楓風はカレーを食べていた。
「楓風」
一口食べると、焦凍に名前を呼ばれた。
『ん?』
「…大丈夫か」
と表情を変えずに聞いてくる焦凍。
(朝の爆豪くんのことだよね)
『全然大丈夫だよ!!…あとで爆豪くんにも謝らなきゃ』
と笑って言うと、焦凍は眉間にしわを寄せた。
「…お前が謝る必要ねぇよ
あいつにはあまり関わるな」
と冷たく言い放った。
(多分私のこと心配してくれてるんだよね…
でも私だってヒーロー科なんだから、心配されて守られるだけじゃダメだと思うから)
『心配してくれてありがとう!!
でも私は大丈夫だよ、後でちゃんと話してみる!!』
本心を告げると、焦凍は一瞬そばを食べるのをやめ、
「…そうか」
とだけ言うとまたずるずると食べ始めた。
(…俺は、心配もしてるが
お前が他の男と話しているのを見るともやもやするんだ…。)
焦凍の本心は、楓風に伝わることはなかった。