第3章 リスタート
焦凍は校舎の影に楓風を連れていき、右手を楓風の頬に当てた。
『あ…冷たい、気持ちいい…。
ありがとう…』
「そんなに逆上せるような話してなかっただろ…」
とストレートにぶつける焦凍。
まったくデリカシーがない。
これだから天然野郎は…と楓風は思った。
『…っていうか焦凍、さっきのどういう意味で…』
「…そのままだろ
早く教室戻って鞄取ったら、帰るぞ」
と先に早足で行ってしまった焦凍を見ると、耳が少し赤くなっている。
楓風は、焦凍も照れることあるんだ、なんて焦凍のことを何だと思っているのか、そんな感想を抱いた。
前にいる焦凍を追いかけて、二人一緒に教室に入ると、
「お前らって、カレカノなの?」
とまた同じ質問を上鳴と切島にされて、倒れそうになる楓風。
それを支えてさっきと同じ答えを返す焦凍だった。
二人が教室から出ていった後。
「いいよなぁ~、俺も彼女欲しい、青春したいっ!!」
「ケッ、あいつら、どうせ家帰った後はピーーとかピーーすんだろ!!リア充め!!
おいらも楓風とピーーしたり楓風のピーーを…」
「おいこの行きすぎた変態どうにかしろ」
と上鳴達は二人を羨ましがり、峰田は度を超える変態のいうことが判明して女子から避けられる対象になった。
「まぁでも確かに、成瀬ってエロイ体してるよな…
おまけに顔はアイドル並みだぞ、しかも地下アイドルとかじゃなくて女優とかモデルに転職出来るレベルの」
(それな…)
「でもあんなイケメンで個性もヤバいやつに、叶わねぇよな…」
(それな…!)
と密かに男子にネタにされているのも知らず、二人仲良く下校しているのだった。
『「 …くしゅっ!!」』
『あれ、同時にくしゃみしちゃったね
風邪引いたかな…』
「…かもな
風邪引くとお前絶対熱出すだろ、今日は薬飲んで早く寝ろよ」
『…はぁい、焦凍お母さん』
「おい、俺は母さんじゃねぇぞ」