第3章 リスタート
「「『個性把握テストォ!?』」」
相澤が放った言葉を、クラス全員が聞き返した。
「入学式は?ガイダンスは!?」
と麗日が問うと、相澤は
ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ、と返した。
今までやってきたスポーツテストの自由に個性を使っていいものだと説明され、喜んだのも束の間、最下位は除籍処分ととんでもないことを口にした。
(推薦入学してるんだから、中途半端な結果じゃダメだよねっ!!)
と意気込む楓風を、轟は遠目で見つめていた。
* * *
<第一種目:50m走>
(よしよし、まずは得意分野だ…!!)
と楓風は喜んだ。
自分の番が回ってきて、楓風はわくわくしていた。
合図と共に一歩踏み出して、軽く跳んでから最大風力の爆風を発生させた。
<3秒02!>
地面に向かって弱い風を出し、ゆっくりと着地した。
『よし!!』
(真面目くん超えたぁあ…!良かった!!)
「すげぇ、既にヤバい飯田の記録越したぞ…!!
しかも女子が!!」
と切島が興奮して言う。
「なんか爆豪と似てるけど成瀬さんの方が速いんだ」
と上鳴が言うものだから、またしても爆豪はブチ切れていた。
周りからも褒めて貰えて、楓風はかなり満足の結果なのだった。
飯田は切島にとどめを刺されたのか、半分病んでいるような顔をしていた。
<2種目:握力>
(握力は風力とか空気関係ないもんなぁ…
あ、そうだ!!)
楓風は、即席で考えた技を使うことにした。
自分の手のある場所を真空状態にしてから、測定する機械を握ると同時に機械の下からと上から風を加える。
効果があるかは初めてやるため、分からない。
ただやらないよりいいはず…!
<79kg>
『わーい!!成功した!!』
個性なしの状態から30kg以上上がって握力も満足の楓風。
* * *
長座体前屈以外は全て個性を使って出来たため、正直記録は自信があった。
(体の軟らかさはもともと自信あったしねっ!!)
結果、1-Aの順位は
一位 成瀬 楓風
二位 八百万 百
三位 轟 焦凍
四位 爆豪 勝己
五位 飯田 天哉
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二十一位 緑谷 出久
となった。