one piece of my Dream [ワンピース]
第1章 愛してる
キヨ。
本名は 千歳 清人(ちとせ きよと)。
僕の6歳年上で21歳。
ちょうど僕くらいの時にじぃちゃんに拾われてウチにやってきた。
まだ9歳だった僕は周りに歳が近いのがいなかったので、すぐにキヨに懐いた。
でも、キヨにとっては迷惑でしかなかったんだと思う。
どこに行くのもちっこいのが後をついてくる。
しまいには、じぃちゃんに世話役なんて任せられたみたいで、すごくめんどくさそうに僕を睨んできたのを覚えている。
あの時から、僕はキヨが苦手になった。
この人は僕を受け入れてくれない。
そぉ思いながら近づくことを避けていった。
僕の朝はキヨの声で始まる。
「おっす、しん。
今日も朝から性が出るこって」
板前長であるケンさん(42歳)に、朝稽古をつけてもらうのが僕の日課だった。
「よぉ、キヨ。てめぇはしねぇのか?」
ケンさんが声を掛けると、
「ケンさんの目の前のやつに負けちまったら、はじめるよ」
シシッ。っと笑いながら手のひらをヒラヒラさせてどこかへ消えていった。
「…ケンさん…………僕、あいつ嫌い……」
いつの間にか、キヨが僕を避けることはなくなっていたが、その代わりに僕がキヨに近づくことはなかった。
「昔は、キヨにベッタリだっのになぁ」
よっと、僕を軽く投げ飛ばしたあと、
「今は大っきらいだ」
「ハハハっ。そぉかなぁ?
さぁ、朝ごはんにしよう」