one piece of my Dream [ワンピース]
第4章 心の距離
「ルフィ……」
船の手すりに座り、まだ釣りに必死なルフィの背中に後ろから抱きついた。
「おわっ?!なんだ??……しんか」
ギュッと力を込める。
「……どしたァ?…」
ポンポンっと、前に回した僕の手を叩く。
少し力を緩めると、竿をウソップに渡し、こっちを向く。
「………………」
……淋しい。なんて、
言えない僕は、再び、ルフィの胸に耳を当てる。
トク、トクン。
と、聴こえる心音は僕の心を落ち着かせる。
「なんだ?しん。
ルフィに抱き着くとか、気持ちわりぃ」
ウソップが横から声を掛けてきた。
「………………」
……今は何も声に出せない。
泣いてしまいそうだから……
ルフィの腕が僕の背中に回る。
ギュッと力を込められ、
「寂しくなったのか?」
と優しく言われると、本当に泣きそうで、さらに顔を上げられなくなった。
「……………ルフィ………」
僕はルフィが好きだった。
と言うより、憧れていた。
仲間のためにこんなにも必死になれる人が。
そんな人になりたいと、いつも思っていた。
だから、好きだったのだ。
「……さみしい……ょ…」