one piece of my Dream [ワンピース]
第1章 愛してる
それから約10年。
15歳になった私は、組の中でも群を抜いて強くなっていた。
格闘技、剣術、そして狙撃術。
いやでも身につく、それらの技術は、
日に日に私に女を要求しなくなった。
「よぉ、しん。
また、近所のガキどもシメたんだって?」
キヨ。と呼ばれる男が声を掛けてきた。
私はこの男が大嫌いだった。
なにかにつけてちょっかいをかけてくる。
喧嘩も剣術も格闘技も…………
一度も勝ったことのない、唯一の男。
「……うるさい…」
「若いっていいねぇ」
肩に置かれた手を払いのけ、
「僕に触るな」
その場を立ち去る。
『僕』
気づいたら、こう呼ぶようになっていた。
少し大きくなった胸もサラシで押さえた。
女であることは嫌ではない。
周りがそれを認めなかった。
綺麗な服を着て、可愛いメイクもしたい。
恋だって…………