第2章 出逢い

急いでキッチンを飛び出し、甲板へと出る。

目の前に広がる海に、

僕の目は希望しか写していなかった。

「キヨに会える！！」

なんの躊躇もなく、海へと向かって大きくジャンプした。



「……えっ？……」


なにかに体を巻きつかれた。

そのまま、視界は海から遠ざかって、

背中に軽い衝撃を感じ、視界に青空が広がる。

「お前、なにやってんだよ！？」

ルフィの慌てた声と顔が近くにある。

「なんで？………なんで邪魔したんだ？」

あまりにも眩しかった空を自分の手で隠す。


「俺の船に一度乗り込んだら、死のうなんて思うな！」

ルフィの声が体に響く。

「今からお前は、俺たちの仲間だ！！」


見えない何かが溢れてくる。


失ったものをまだ忘れずにいる僕が、


キヨが愛したこのクルーたちが、


少しでも、失ったものを埋めていってくれるのだろうか。




キヨ、君に会いに行ったハズなのに逢えなかったよ……


この『出会い』は、偶然？……