one piece of my Dream [ワンピース]
第2章 出逢い
**************
今、俺の目の前にいるクソガキは誰だとか何を考えているのかとか、
ただ、流れた涙が綺麗だったからだとか、
そんなこととか関係なく、コイツに興味を持った。
俺の眠りの中でどこからか入ってきた甘くて優しい香りと、柔らかくて暖かい感触。
思わず引き寄せて確かめると、
『キヨ』
という声に目が覚めた。
男の割に少し高い声や綺麗に整った小さな顔も、
さっきから俺の鼻腔をくすぐる香りも、
なぜか俺を惑わせる。
………男?……女か?……
なぜここにいるかもわからないという本人は、
俺に殺せと言ってくる。
「やめた」
コイツを少し知りたくなった。
こんなところで殺すのももったいない。
肩に手を置き、そのままこいつに背を向けた。