one piece of my Dream [ワンピース]
第9章 心の在処
「……だから、キヨって誰だよ………」
悔しくて問いかけるも、応えが返ってくることはない。
さらにそのことが、虚しくて眠るしんの唇を奪う。
触れるだけのはずが、
おさまることのない感情のほうが勝って、
だんだん物足りなくなってくる。
「…ん………っ…ん?」
深く貪るようなキスに、しんが目を覚ました。
「……サンジ…さん?…」
まだ寝ぼけているのか、虚ろな瞳はゆっくりと俺を見た。
「おはよう、しん」
そっと、おでこにキスを落とすと、
ん。っと、可愛い声が返事をする。
「もう一回、する?」
「……え?……」
俺の問いかけをまだ理解してないのか、
真ん丸な瞳がキョトンとしている。
「…ってか、したい………sex……」
2人しかいないこの空間で、最後の言葉を耳元でささやく。
「えっ?!」
やっと理解したのか、一気に顔が赤くなった。
「し、しないよっ!!」
慌てて逃げようとするしんを捕まえて、腕の中に閉じ込める。
「なんで?もぉしたくない?」