one piece of my Dream [ワンピース]
第8章 特別
ドロドロと重たい意識の中から、ゆっくりと自分を起こす。
「しん、飯ィ!」
大好きなルフィの顔が目の前にあって、少し驚くが、
朝方、意識が飛ぶまで続いたゾロとの行為に体が思うように動かない。
「…ルフィ……おはよぉ」
ゾロの姿はなく、脱ぎ散らかした服も、汗だくのまま寝たはずの僕の体も綺麗にされてて、すごく変な感じがした。
重たい腰をなんとか浮かし、立ち上がる。
「どぉしたァ?しん」
僕のぎこちない動きを不思議に思ったのか、少しフラつく僕に手を差し伸べてくる。
「…あれ、?……二日酔いかなぁ?…」
適当にごまかして笑ってみせると、
「だったらサンジに、酔い覚ましのスープ作ってもらおうぜ!」
と言って、僕をヒョイっと肩に担ぐ。
「わぁ!!ルフィ---……」
「キッチンまで連れてってやるから、暴れんなよ」
「ぅえ?!……ちょっ------…」
そのまま図書室を出て、キッチンへと向かった。
「サンジィ!しんが二日酔いなんだってよ!
酔い覚ましのスープ作ってやってくれよ」
僕を担いだままキッチンへと入り、ソファーに下ろされる。
「なんだぁ?しん。二日酔いか?」
厨房からてできたサンジが僕の目の前にしゃがみ、顔を覗き込んでくる。
………ち、近い。
恥ずかしくて顔が赤くなるのを感じる。
「…顔赤いぜ?…熱あんじゃね?…」
くわえていたタバコを手に持ち、空いた方の手で自分の前髪をかき上げる。
コツんっと触れ合ったおでこ同士が、その距離の近さがさらに恥ずかしさを増し、ギュッと目を瞑る。
「なにやってんだよ!」
「なにやってんのよ!」
ゾロとナミの声が同時に聞こえ、パっと目を開けると、
サンジがふたりに羽交い絞めにされていた。
「……ちょっ…どぉしたの?…」
慌てて止めに入ると、
「しん!あんた、ぼぉってしてたらダメよ!!」
「あんま、スキばっかり見せてんじゃねぇ!!」
僕まで2人に怒られて、何がなんだかわからなくなる。
「サンジがお前にキスしようとしたんだよ」
ウソップがとなりに来て耳打ちする。
「えっ---…」
気を付けろよ。と言って僕の頭を撫でて自分の席へと戻っていった。