第21章 21 ※荼毘
チリっと首筋が痛んだ…みんな、私に跡を残す。自分の物と言う証を。
みんなは、無事なのかな…。
みんなら、私を探してくれてるかな…。
腕も、足も痛いな…。
早く雄英に戻りたいな
自分が怖いよ。
「凛…」
私の上から荼毘が移動して、隣に倒れ込む。
荼毘の目に私が写る。私の目にも荼毘が写っているんだろうな。また他の人を考えてるってバレてしまうだろうか。
「どうしたの?荼毘?」
「怪我させて悪かったな…」
「…痛かったよ?」
そう言うと荼毘は私の頭を撫で額にキスをした。優しい優しいキスを…。
荼毘は立ち上がるとベッドから降りて私に服を投げつける。
そして、自分も身なりを整えながら一言だけ私に投げかけた
「個性発動させろ…」
「はい」
そう言って私は目を閉じ手のひらに乗るくらい小さな物を創造させた。
荼毘は、そのモノを受け取ると握りポケットへとしまい
「聞いてた話しと違うな…材料必要って聞いてたが」
そう言われて、眉間にシワがよった。
私に材料が必要と思っているのは担当した人たちだけだ。
本来の個性は交われば精製ができる。だとすれば、荼毘が知っている情報は雄英生の誰かが漏らしたものだ…
「材料はいらない。私はココから得た情報でその人が必要とするサポートが出来るだけ」
そう言って横座りに座り直し、お腹辺りに手を置く。