第18章 18
「凛ちゃん?手止まっとるよー?」
「痛っ!!」
そう言われて慌てて包丁を握る。人参を切るように言われていたのに慌てたせいで左手の薬指を切ってしまう
一昨日の相澤先生の発言からどこか集中力が無くて何かしらのミスをしてしまう
血が傷口に沿ってぷくりと膨れジンジンと痛む
「おい、何ボサッとしてんだよ‥指、切れてんぞ」
「あ、爆豪くん‥なんか、人参切ってたら失敗しちゃって」
「何してんだよ‥‥」
私はから包丁を取り上げて慣れた手つきで人参を切ってくれる。
「爆豪くん‥本当は優しいね」
「‥本当“は”ってなんだよ」
「あ、‥いや、あの‥」
つい、行為時の事を指してるのを口にしそうになり両手を顔の前に持っていき手と首を振る
爆豪くんは楽しそうにニヤリと口元を上げると
「‥凛ちゃんは何を考えてたんだよ?」
左手を掴まれ切った薬指にキスをされる
その行動を終始見てしまい顔が真っ赤になる
「ば!爆豪くん!!」
「んだよ‥テメェ、一昨日から何しけた顔してんだよ‥」
「私、そんな顔してた?」
「してるわボケ、ブスすぎて見るに耐えねえ」
“ブス”と言われた事にショックで両頬に手をつける。そんなにひどい顔してたかな‥
不安になり爆豪くんを覗き込むように首を傾げ
「私、そんなに酷い顔?」
そう聞くと爆豪くんは顔を少し赤らめて
何か言おうとしたところで急に後ろから手を引かれてよろけると背中に温もりを感じる