第16章 16
「イレイザー!!」
大きな声が聞こえて慌てて体を離す
急に無くなった体温に制服のシャツがやけにひんやりと感じた。
「悪い、生徒の話を聞いてた」
「ふーん」
ピクシーボブに頭から足元まで、ジロジロと見られる。もしかして、抱き合ってるの見られたのかなとか考えてると顔が少し赤くなった。
「神楽はやく行け」
そう言われて、入口の扉を潜り部屋に向かおうと角を曲がる。
けれど、私は部屋の割り振りさえ知らず。聞きそびれたと引き返した
2人は何か話しながらこちらの方向に歩いてくる。その顔は真剣でなぜか声をかけられなくて壁に張り付き聞きみみをたててしまう。
「ねぇ、今の子がそうなの‥」
「‥ああ」
「イレイザー、あんた最低だね。好きな振りしてまで、そんなにあの子の個性欲しいの?」
「合理的虚偽‥だろうな‥」
「最低、いつか刺されるよ?」
「それも悪く無いかもな」
聞きたくなかった。相澤先生からそんな言葉。
我慢していたものが一気に溢れ出して
2人に合わないように、私は廊下を走り出した。
相澤先生は私の事なんて好きじゃ無かったんだ
ヒーロー活動に有益な私の個性が‥私の体が欲しかったんだ