第15章 15
「いえ!今の敵に手を撃つ素振りがありませんでしたが、神楽さんの個性お聞きしても?もし、身も守るために道具が作れたらと‥」
そう言ってキラキラした目で見つめられ、私は視線を逸らした。
言えるわけ無い。
(私の個性も創造だよ!男の人限定でしか発動しないの、性行為しないといけないんだよ~)
なんて‥
同じ個性ってだけでこんなにも卑屈になれるんだ‥悔しさと、悲しみと怒りにスカートを握りしめる
「八百万、前で麗日が探してた…なんか用が有るんだと」
低く落ち着いた声が後ろから聞こえ振り向くとそこには轟くんが立っていた
「本当ですの?すぐ行きますわ」
そう言うと、八百万さんは走って行った
残された私と静かに立つ轟くんは表情を変えずに私の手を握り声をかけてくれた
「気にすんな」
「ありがとう、轟くん」
握ってくれた手を握り返し目を見つめてニコリと微笑む
その表情をみて轟くんは大丈夫と判断したのかそれ以上何も言わずにまた歩き始めた
同じ個性に出会いたくなかった
この握られた手さえ私は汚い方法で手に入れているのに