第14章 14
「大丈夫かよ…気ぃつけろや」
「ば、爆豪くんっ?」
状況を考えれば普通なはずのお姫様抱っこについ恥ずかしくなり顔を赤らめてしまう。
地面に足を着くと土砂の中や近くの森から私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「っ!!凛ちゃん!大丈夫!?」
「…出久くん?」
「だ、大丈夫かよっ!!凛っ」
「…鋭児郎?」
「怪我してねぇか?」
「…轟くん?」
「凛ちゃん!平気!?…まさか、凛ちゃんまで巻き込むとはだよっ」
「三奈ちゃん…ありがとう、爆豪くんに助けて貰ったから大丈夫…けど、ちょっと一瞬ヤバいと思った…」
みんなが一目散に私の方へ駆け寄ってくれて嬉しかった。
爆豪くんの腕を見ると擦り傷があって私を守るために付けたんだと思うと申し訳ない気持ちになった…
「ぎゃー!!!!」
叫び声が聞こえて振り向くと私の後には化物が立っていた
逃げないと、そう思っても体が動かなくてその化け物が私の方に腕を振り下ろそうとする。
口田くんが化物に向かって
「鎮まりなさい獣よ下がるのです」
そう話しかけるがその手は止まることなく私の方へ近づいていた、すると両脇を4つの影がすり抜けて行き物凄い音とともにその化け物が粉々になる。
目を細めて土埃から見える姿を確認するとそこには出久くん、轟くん、飯田くん、爆豪くんの背中が見えた。
驚いてへたり込む私を切島くんが肩を掴み立たせると
「大丈夫か?凛…とりあえずり宿泊先まで絶対に俺達から離れるな」
そう言い私の前を歩き始めた。
私はA組のみんなの背中を慌てて追いかけた。