第14章 14
それから、試験が終わり何も無かったようにあっという間に林間合宿当日になってしまった。
『行きたくない』
私の心はこれだけだった。
普段は担当になっている人と2人きりで会っている。けれど、それが一気に何も無い状態でしかも同時に会うことは本当に初めてに近かった。
そして、何よりも女子生徒やはじめ初めて会う人の方が圧倒的に多い。
A組だけではないB組もいて…なのに私は関係のないサポート科から1人での参加でアウェイすぎる状況だった。
集合場所にたどり着けば何やら騒がしい声が聞こえた。
赤点がどうとか聞こえたと思ったら突然その男の子がバタリと地面に向かい倒れ込んだ。
女子生徒達の声とヨダレを垂らしながら見つめる変な髪型…峰田くん?の姿が確認できた。
「こっちだ…」
声をかけられて振り向くとそこには相澤先生がいつもの暑そうな服を着たまま立っていた。
「…おはようございます」
「神楽はA組のバスだ…」
「はい…」
そう言われて乗り気のしない声で返事をしてしまい俯くと頭をポンポンと相澤先生に撫でられた。驚いて上を見るが相澤先生は既にほかの生徒へ声をかけていた
「A組のバスはこっちだ席順に並びたまえ!」
そう聞こえて振り向きバスに近づき1番最後に並んだ。前からどんどんと人が乗っていく。