第12章 12 ※轟
私は熱に当てられている。
きっとこれも、熱に当てられてこういう事になってしまっただけ…
この行為が好きとか嫌いとか、個性の発動とか、もう…そんな事どうでも良かった。
暑かったからそこにあったアイスを食べたのと同じ
したくなったら、そこに轟くんがいただけ。
きっと、轟くんもそうだったんだと思う。
人肌が恋しかっただけ…。
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暑いな。冷たいものを食べたい…そう思って冷凍庫を見ても何にも入っていなかった。
コンビニに行ってアイスを買おうそう思ってTシャツとミニスカートを身につけサンダルを履き外にでた。
少し外にでただけなのにジリジリと暑い照り返しが眩しくて目を細めた
コンビニまでの距離は別に遠くもなくたどり着いた。
そこにはコンビニが似合わなそうな男の子が1人立っていた…
「…あ、轟くん…」
「神楽か…」
顔を合わせれば挨拶をするし話もする。
何故かA組に行くと必ず轟くんと1番最初に会ってしまって、毎回呼び出してもらっている。
轟くんも私の担当でA組の人の人気を考えれば正直、このことが知られたら私は世の中の女子に殺されると思っている。
「轟くんもコンビニくるんだね!」
「お見舞いの帰りでちょっと喉が乾いてな…」
「お見舞い?誰か具合わるいの?」
「ん…まぁな…」
「良くなるといいね」
お見舞いという言葉に反応してしまって、思わず人を聞いてしまった。
轟くんは言いたくなかったようで視線をそらし素っ気なく返事をしたその顔が悲しそうな顔をしていて、なんとか話を誤魔化そうと喉が渇いたという轟くんに思いがけない提案をしてみた
「ねぇ…轟くん?」
「ん?」
「もし良かったら、今から家に来ない?」
「…構わないが、いいのか?」
「うん。1人でアイス食べたりすりるのなんか寂しいし!あと…人が来てくれると罪悪感なくクーラー使えるから…」
「人がいても居なくても使うんなら一緒じゃないのか?」
「そうなんだけどね…」
本当になんの意味もなくてただ轟くんの元気の無い顔を見たらなんとなくそう声をかけたくなっただけだった。
きっと、人のことを心配するよりも自分をどうにかしろって言われてしまいそうだ、偽善かもしれないけど目の前の人を助けたいと思ってしまったんだ