第44章 ホークス オリジン
「あの子、一般人ですよ」
「知っているわ」
薄暗いオフィスの中で皮張りの椅子に座る女性
ヒーロー公安委員会のトップにしてオレを従わせる張本人。
その女性に、何度話したのか分からない凛ちゃんを助ける願い。
「ならっ」
「何度その話を繰り返すの?…はぁ、今まで散々、ヒーローや民間人を…」
「っ!!分かってますよ、“そんな事”…断れんことを知っとるくせに…この手はもう汚れてる」
「なら、差し出しなさい…その子の生死などどうでもいい、理由ならどうとでもしてあげる。その子の命1つで敵連合から情報が出せるなら差し出しなさい」
その冷たい言葉に救済などない事を再度理解する。仰々しい態度でお辞儀をする
「仰せのままに」
「感情を殺しなさいホークス…」
一瞥して振り返らず扉から出る
「(…鳥籠か)」
ーーーー