第9章 09 ※緑谷
演習の授業となり研究室の鍵を開け中に入る。
空気を入れ替えるため窓を開けた、ふと外を見るとA組の人達が個性を使って鬼ごっこをしている。
もちろん、遊びではなく授業中で相澤先生が見張りをしながら楽しんでいた。
実際に個性を使って動く姿を見ていたらサポート役としての血がうずきノートとペンを乱暴に手に取りグシャグシャと走るように文字を書いた。
チャイムがなり授業が終わる頃には手元のノートは人には見せられないくらい酷い文字だった…
相澤先生がこちらを向いて何かを書く仕草をする、私がメモをしていた事は彼にはバレていたようで私は両腕で大きな丸を作り合図を返した。相澤先生は口元を持ち上げてじゃあなと言うようにまた手を上げ校庭から校舎に入って行った。
「先生の事も…ちゃんと観察してたんですけどね」
私は独り言のように呟いた。
すると、バタバタ言う足音といきなり扉が開く音がした、驚いて振り向けばジャージを着たまま扉を思い切り開いて肩で息をする緑谷出久くんの姿があった。
「み、緑谷出久です!…きょ、今日からよろしくお願いします」
と何度も何度も頭をペコペコと下げられて笑ってしまった
「ふっ…神楽凛です。サポート担当としてよろしくお願いします。個性は言わなくてももらった紙にあると思うんだけど…その、ちょっと不思議な個性なのでよろしくお願いします。」
「相澤先生に…今日から行けって言われて…そのっ…どうして良いのか…」
そう言って俯く姿を見ていたらとても可愛いくてさっき外で見ていた必死な姿とのギャップに私の加虐心は煽られた
「緑谷…出久くんは何もしなくていいよ…」
そう言って近づき扉と鍵を閉めた。
出久くんに近付き手を握りもうひとつの扉の戸を開けてベッドへと連れ込む。
2人でベッドの角に腰掛けて出久くんに話しかけた
「私が初めてなのかな?」
「…ご!ごめんね、僕まだ女の子とも付き合ったこと無くてそのっ!」
「謝らなくて良いよ…むしろ私が初めての相手でごめんね?少なくとも綺麗ではないし」
「凛ちゃんは…すごい綺麗だよっ!!可愛いし僕、初めての相手が凛ちゃんで凄く嬉しくて…昨日全然寝付けなくてッ…ってこんな事言ったら気持ち悪いね…ごめん」