第44章 ホークス オリジン
「居ないよ?だから遊ぼうよ?」
机の下にあった手を掴まれて手を握られさすられる。
この人は嘘をついている。
上目遣いでニコリと微笑み返しサイドキックを見つめると顔が真っ赤になる
「…私と遊びたいですか?」
「う、うんッ」
頬に手を伸ばして触れる
相手が私を見つめる目が熱くなる
「神楽ッさっ」
「髪に…ゴミついてましたよ?」
「へっ!?」
「あと、高校生だからって簡単にイケルって思わないでくださいね?」
「イケるなんて思ってないよ?オレ本当に彼女居ないしッ…彼女になってよッ」
「嘘よくないですよ?」
その言葉をかけると声のトーンが甘くなり
「ふーん。なんかさ…その感じもう初めてじゃないでしょ?オレ上手いよ?高校生のガキなんかより。絶対ハマると思うし、ねぇ1度しよ?」
「…私、“監視役”ついてるんで」
「え?お嬢様なの?うわーすげー好き、ねぇ抜け出してふけようよ?」
何を言ってもダメだ。
「神楽さん、絶対気持ちよくしてあげるから」
その言葉にホークスとの事を思い出してしまう。お腹がきゅぅとした。
ホークスの方を見れば私の方へ顔を向けて頬杖をついてニコリと笑った。
ああ、ホークスとしたいよ…
「その顔ヤバっ」
そう言われてハッと意識を引き戻す
腰に手を回される、また距離が近くなる
ヤバイそう思った時だった
ドンッ!!
サイドキックと私の体を裂くようにビールジョッキがテーブルに置かれて
その勢いに少しだけビールが机にこぼれた
「楽しそー。オレも混ぜてよ…」
グイと体が引き剥がされてホークスがそのスキマに体を押し込んだ