第44章 ホークス オリジン
ホークスの纏う雰囲気が段々と変わってきて手が伸びて止まった時にいつものホークスの顔になった。
手に触れれば顔が赤くなって。
その顔がとても嬉しかった。
けれど、立ち上がりとなりに座った瞬間には別の感想を抱いた…
狩られる。
それは、ホークスの個性が放つオーラなのかもしれない。
その視線に私は動けない
これはきっと獲物を狩る時に鷹がする顔なのかもしれない…
唇をかぶり付かれるようにキスされて
あまりにもいつもと違うキスにホークスの胸を押し返した
それでもホークスは止まってくれなかった。
私の抵抗なんて無いと同じだから
体が倒されそうになった瞬間に手にグラスが触れてパシャりとホークスに水をかけていた…
涙が溢れ出た
びしょ濡れのホークスを見て私はカバンを持ち飛び出した。
フスマを開けて廊下に出れば着物を着た女性が驚いた顔をしていた。
それでも足は止めずにひたすらに走り建物を後にした…。
帰るところは結局ホークス事務所…なのだけど。
ーーーー
涙でグジャグジャになった顔でしばらく走れば
ドンと人にぶつかった。
顔を上げれば、そこに立っていたのは
とても大きな耳が生えた有名なヒーロー
「お前なんで泣いてんだ!?」
「み”…る…ご…?」
「ひでぇー顔だな!…どうした?」
その言葉にさらに涙が溢れ出てきた。
私がさらに泣き出してミルコが困ったように頭をかく…
「落ち着け、話してみろよ」
「好きなッ…ひ、ど…がっ!!」
声を出そうにも泣いて走った後で声が出せなかった。
「はぁ?彼氏と喧嘩しただけかよ…」
「彼氏じゃないっ…」
「はぁ?…じゃ、なんだよ…本当に好きな人と喧嘩しただけかよ」
ミルコのカラッとした態度に影響されてなのか涙はピタリと止まった。
段々と呼吸が落ち着いてゆっくりとミルコに事情を説明した。
「好きな人にっ…水かけちゃっ…たッ」
「ブハッ!なんだそれっ!どんな状況だよ…」
「インターンで勉強しに来たのに、ご飯食べてたら変なことばっかり言うし…変な事しようとするし、私、勉強しにきたのに…まだ、仕事の時間だしおかしいよ!!」
思い出すとムカムカした気持ちが溢れ出して説明をする言葉が止められなかった