第34章 34
「ごめね、ホークス…借りた羽について来たんだけど急に声かけられて」
「大丈夫だけど、凛ちゃん本当に人を惹きつけるね」
その言葉に凛ちゃんは顔を顰めていた。褒めたつもりだったんだけどね
手に持っている猫耳のカチューシャとパスケースを凛ちゃんにつけると似合っていて。
とても可愛かった、Aクラスの子たちラッキーだよなこの子と同じ時間を過ごせて。
「うん、やっぱり似合うよ」
「これどうしたの?」
「…なんか、似合うかな?と思ってプレゼント」
その行動がちょっと恥ずかしくなる
けれど目の前で顔をくしゃくしゃにしながら喜ぶ凛ちゃんの姿を見たら良かったのかなと思った。手に持った人形をじーっと見られて
「ホークスって人形好きなの?エンデバーのも欲しがってたし」
そう言われて、ため息をついてしまった。
オレにここまでさせてるのに、まだ分からないんだね。君の会話は全部聞こえてるのまた忘れてるし…
この人形を渡せば凛ちゃんどんな顔するかな?
ごめんね、穢れてるオレが初恋の相手で
君ならオレと一緒に堕ちてくれるかな
けど、オレは君には幸せになって欲しいと
心から思うよ
思う心の比重が利用価値より重ければだけど…