第33章 33
「凛ちゃんは高校生?」
「そうです…あの、私ホークスから何にも聞いてなくて今の状況が全く理解できてないんですが…どうして服もメイクもされるんですか?」
「え!?そうなの…雑誌のデート企画で、ホークスずっと断ってたのに突然OK出してくれて、その条件が女の子指定って…そしたら、編集長張り切っちゃって場所ここだし、なんなら、彼女連れてくるならスクープだとか言ってたけどまさか、知り合いの娘さんとは…しかも、高校生…やっぱりモテるなホークス」
そう言われてなんだか申し訳ない気持ちになってしまった。
私は“知り合いの娘さん”なんて関係ではないし、知り合って3日目だ。
本当は別の人を連れてくる予定だった、きっとミルコとか…がきっと来れなくて私を連れてきたんだろうと先程まで言われていた親睦会または職場見学は嘘だったんだと少しがっかりしてしまった。
「できたよ!」
そう言われて鏡に映る自分の姿に驚いた。
大人びたメイク、それに合う洋服、髪型…すべてが可愛かった。
私が可愛いとか、そんな自惚れでは無くてプロの手にかかり可愛いが作り上げられていた。
スニーカーサンダルねと言われて今履いてるスニーカーサンダルと靴下を脱ぐと、足の火傷跡を見られてしまった
「怪我の痕あるね…消しても平気?」
そう言われて頷く。ペタペタと足元でなにかを塗られると痕は見えなくなった。
カバンを持とうとするとダメと言われて手ぶら出るように言われる。せめてスマホをと伝えると渋々手渡された。
いくよーと促されて外に出る。するとホークスは既に準備が出来ていたのか男の人と話をしていた。こちらに気がつくと手招きをして私を呼ぶ小走りで近づくとホークスを見つめてしまう
「凛ちゃん、さっきのも魅力的だったけど…今のもすごい可愛いね。あと、オレとお揃いだ!デートぽいね」
そう言って笑うホークスが格好良すぎて直視出来なかった。見れば顔が赤くなりそうで平常心を保つだけで精一杯だ…お姉さん方が言っていたお揃いコーデと言っていたのが分かった。
ホークスは白のTシャツと黒のスキニーパンツだけなのに本当に格好良かった。隣に並ぶのが私で良いのかそればっかり考えてしまって不安だった。
「早速撮影しますか!」
そう言われても私はなにをして良いのか分からなかった。