第32章 32
「なに作るんだ?」
「オムライスにサラダに…コーンスープとかどうかな?」
「それ、オレが食べたいな」
「今度、ご馳走するよ」
「ありがとう、楽しみにしておくな」
「それまでに練習沢山しないとね」
「練習相手もオレでいいな」
そう言われて、笑ってしまった。玉ねぎに鶏肉…ケチャップとソースはあったからこれでチキンライスができる。それにサラダ用にレタスときゅうりにミニトマト、あとはたまご、牛乳を買って牛乳を入れたら冷たいコーンスープができる粉を買い袋に入れて持ち帰ることにした。
ふと久しぶりにちゃんとしたご飯を作るような気がした。
「家で久しぶりに食事ちゃんと作るかも」
「そうなのか?」
「1人だと簡単なモノしか…」
「だからあんなに細いのか」
そう言われて恥ずかしくなった。お世辞だと分かっていても裸を見られてる人に細いと言われると本当に恥ずかしかった。家の前に着き焦凍
へお礼を伝えた。
「せっかくごはん誘ってくれたのに買い物まで付き合わせちゃってごめんね?」
「いや、楽しかった。凛のことまた知れたしな」
「そう言われるとなんか恥ずかしい」
そう伝えると焦凍がこちらに笑顔を見せて。
「もっと、凛のこと知りたいって心から思ってる。色々話聞かせてくれ…オレも凛にオレの事知ってほしい」
「ありがとう…私、焦凍と友達になれてよかった」
「オレもだ…あと、今日の凛可愛かった。あった時に言おうとしたのに今になっちまった…」
そう言われてとても嬉しかった。ありがとうと声をかけ、買ったものを受けとり焦凍と分かれた。
家に帰り急いでオムライスとサラダを完成させた。けれど、21時を過ぎてもホークスは現れなかった。オムライスを冷蔵庫へしまいお風呂に入る事にした。
愛用しているイチゴの香りがするボディソープは、甘過ぎる香りをふりまいてまた、私に強がる鎧を着せてくれた。
テレビを見てホークスを待ったけど日付が変わってもホークスは私の前に現れなかった。
「焦凍にオムライス食べて貰えばよかった」
そう、呟いて布団の中に潜り込んだ