第32章 32
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時計を見ると11時30分で焦凍との約束には少し早かった
それでも、家にいるといろいろな事を考えてしまってせっかく可愛く整えた身なりの可愛さがその負のオーラに、巻き込まれて失いそうだった。
肩からかけた白のショルダーバッグそれに色を合わせたアイボリーのワンベルトサンダル。このトータルコーデなら焦凍と一緒に居ても恥ずかしくないよね…と。心に言い聞かせてコンビニの扉をくぐった。
この間、会ったあの日もとても暑い日だった。
「凛」
「あ、焦凍!久しぶり。林間以来だね」
そう言ってニコリと笑った。聞かれる前に言ってしまえば焦凍もそれ以上は何にも言えないだろうと思っての発言だった。
「怪我大丈夫か?」
「うん!」
「ならよかった…」
優しく微笑む焦凍の顔は綺麗でコンビニと言う場所が本当に似合わないと思った。
「お昼どうしようか?」
そう言うと焦凍は少し考えてから口を開いた。
焦凍からどんな言葉が出てくるのか楽しみにしていた。焦凍は蕎麦が好きって言ってたから和食かな?とか考えているとなんだか楽しかった。