第5章 05
「神楽…歩けるか?」
切島くんは私を覗き込み優しい声で聞いてくれた
「切島くんありがとう…もう全然平気大丈夫。歩けるよ」
「ん…そしたら、保健室連れてくから」
そう言って私の手を握り歩き始めてくれた
午後の始業が近いからか廊下には人はおらず誰にも手を握っている光景は見られることは無かった
「失礼しますっ」
「相澤先生に言われて来ました、神楽凛です」
「大丈夫。聞いているよ…怖い思いしてしまったね…さっまずはペッツお食べ」
「ありがとうございます…」
「あんたも。よく守ったね!ご褒美のペッツだよ」
切島くんと私にリカバリーガールはイチゴ味のペッツをくれた。そして、切島くんに扉の前で待つようにと伝え切島くんは外に出てしまった
「で…痛むところはあるかい?」
「太ももが少し痛いくらいです…」
「何にもされてないかい?」
「はい…押し倒されて脱がされそうになっただけで…本当に…」
思い出して体がブルりと震えた…
もし、切島くんが来てくれなかったら…私はどうなったんだろう。
「なら良かった…太ももは打ち身みたいだね…治癒するかい?」
「いえ…湿布で大丈夫です」
「そう言うと思ったよ…さっ、これでお終いだ」
ペタリと湿布が貼られる…
少し椅子から腰を浮かせると自分の下着が湿り気を帯びている事に気が付いてしまった
「(私…濡れてる…なんで…っ)」
「どうしたんだい?顔色が真っ青じゃないかい…」
「り、リカバリーガール…わ、私っ…わたしっ!!」
呼吸が乱れてくる、息を吸おうとしてもうまく吸えない…胸が締めつけられるように苦しくて涙が溢れ出しそうになる…