第30章 30
家の前に車が止められてお金を払い降りる。
受付に顔を出して荷物や来客の様子を聞いた。
特徴から轟くんが来てくれていた事が伺えたが昨日の事だったようで気にせず開けてもらったドアを潜りエレベーターに乗り、オートロックである家の扉を開いた。
モワッとした熱気に気持ち悪さを感じる。
先ほどまでの楽しい空間とは違い、普段より暗く寂しい部屋のように感じた、荼毘や死柄木とあんな事があったのがまるで夢のように感じたが足にある傷を見れば現実だと思い知らされた。
考えると苦しくなる、勝己くんの家で言われた事楽しかった事を思い出して思考を無理やり切り替えた。
バルコニーに繋がる窓を開くと1枚の紅色の羽が落ちた扉に挟まっていたのかひらりと床に落ちる、この場所に似合わないモノを不思議に思い拾いあげる。
「綺麗…」
「それはどうも」
声が聞こえて驚き見上げるとバルコニーの笠木部分に有名なヒーローが姿を現した。
金髪に近い髪色、同色である目立つジャケット…背中から生えた綺麗な紅色の羽。早すぎるヒーローと有名なホークスだった。あまりにも有名なヒーローが目の前に現れた事で時が止まったように彼を見つめた。
ゴーグルを外し頭につけ目の前にピョンと降りてくる
身長は高いと思っていたが実際は勝己くん位で少し見上げるくらいだった。エンデバーや相澤先生が大きかったせいで自分の中でのヒーローはみんな背の高いという変なイメージになっていた。その概念を無くそうと思った