第25章 25
扉の隅に蹲る私を横目で確認をするが、どう声を掛けていいのか分からないのか
気まずそうに車を出発させた。
「直ぐに、病院に着くからね」
「ありがとうございます」
と答えた。病院に着くと女性の看護師が近づいてきて私を囲み中へと誘導をした。服がなく汚いシーツに包まれた私を見て慌てて病院着を着せるわけでもなくそのまま診察室へと連れていかれる。開けて椅子を見ると婦人科なのであろう独特な椅子に座らされて
傷がないか、感染症の検査をすると言われた。そして、アフターピルを渡されて薬を飲み込む。しばらく体を観られるとシャワー付きの部屋に通された。
「シャワー…浴びれそう?」
そう、看護師に言われてニコリと笑い大丈夫ですと伝えると怪訝な顔をされた。
彼女からしたら犯された後の可哀想な女の子として私は写っていたんだと気が付き元気のなさそうな顔をしてみた。
扉が閉まりシャワーを浴びる。流れる汚れは排水溝に吸い込まれていった…。
「また、ベットの上だ」
思わず声が出ていた。
テレビを付けるとそこにはオールマイトがカメラに向かい
「次は君だ」
と声をかけていた。
わたしにはその言葉が受け止めることが出来ずテレビを消した…部屋の明かりが眩しく感じる。コンコンとノックをする音に返事をすると食事が机に置かれ配膳した人は出て行ってしまった。たしかに、食事を取っていなかったとパクリと一口口に入れるがその一口で満足をしてしまった。
コロンとベッドに倒れ込む。
途端に、いろいろな事が頭を駆け巡り恐怖を感じた。
あまりの不安に目を閉じて眠る事にした。