第25章 25
“では、先ほど行われた…雄英…謝罪会見の…
この度我々の…不備から…ヒーロー科1年27名に…ヒーローの育成の場でありながら…謹んだお詫び申し訳ございませんでした”
“イレイザーヘッドさん…意図をお聞かせください”
“私どもが…最悪の事態を避けるべく…判断しました”
ラジオから聞こえる途切れ途切れの音は私に、少しだけ希望を与えてくれた。
拘束は解かれずにただ汚いベッドに横になり今の情報を聞いて居た。
“…26名もの被害者と1名の拉致は最悪とは言えませんか?”
26名に1名の拉致。当たり前だ、私は合宿の名簿には入って居なかった。
雄英は私の存在を消した…雄英の保身のためなのか、私の事を思ってなのかは分からないけれど…
勝己くんは大丈夫なんだろうか。
ふと彼の事が気になった。“来るなデク”と強く言い放った瞬間に意識が無くなって、荼毘の腕の中で必死に名前を呼んだのが最後に見た姿だった。