第2章 後編
「頭もすっきりしてるし。もう、大丈夫みたい。お父さんにもそう伝えて?」
「わ、わかったわ」
あたふたとしながらも、母は部屋から出て階段を降りていった。
は今も心地よい風が入ってくる窓から、あの都とは違う、喉かな外を眺める。
……母に言った通りだった。
あんなに思い出すのを怖がっていた自分がウソみたいに、今はスッキリとした気分だった。
半年の間のここでの暮らしのお陰だろうか。
「?」
ドアから心配そうに顔を覗かせたのは悟天。
「悟天。……ごめんね、また心配かけちゃった」
言うと語天はブンブンと頭を振った。
「謝るのは僕の方だよ! 本当ごめん。無理やり過ぎたよ、僕……」
しょんぼりしているふうの悟天を見ては笑う。
「ううん。もう大丈夫。おかげで記憶も戻ったし」
ここに座ってと、さっきまで母が座っていた椅子を指す。
「うん。お母さんから聞いたよ。本当に全部?」
「うん」
すると悟天は椅子に小さく座り、少し気まずそうに続けた。
「じゃぁ……その、トランクス君のことも?」
「……うん」