第3章 03
「スマホに連絡して置いたんだけど見れなかったか?」
「あ…いえ、スマホを忘れてしまいまして」
「そういう事か…荷物まとめたら行こう」
そう言われて焦凍は自分の席に行く
取り残された私をジーッと見る視線が痛くて焦凍くんの方について行く
「なぁ、轟…その子手を振った子だよな?」
「…?ああ…」
「近くで見るとくっそ可愛いじゃねぇーかー!!!!」
「お前!普通科の子にいつの間に手を出してんだよー」
「幼馴染だ…気にするな…行くぞ凛」
手をグイッと引かれて教室から足早に出る
後から、神様は不公平だ、俺らは不幸だー!と先程のブチブチ頭と金髪の人の声であろう叫び声が廊下に響いた
焦凍は教室を出てからも手を離してくれず「不幸なのはおれの方だ」と呟いた
下駄箱までその体制で何人かに見られたが騒ぎにはならずに済んだ
「焦凍様…?」
「…」
ずっと手を離されると焦凍は自分の下駄箱に向かってしまう
私も慌てて靴に履き替え焦凍の近くに行く
「カバンお持ちします」
「大丈夫だ…」
「…」
「…本当はお礼をしようとしたんだが…改めてにする」
「え…わかりました」
楽しみにしていたのにちょっと残念だ
けれど、焦凍の元気が無くなってしまった姿がを見ると無理を言えなくなってしまった
「帰るぞ…」
「はい…」