第9章 新規海兵育成記
訓練当日。クマラはゼファーに連れられて訓練場に足を運んていた。新兵達が汗を流し、各々自分の戦いやすい方法を模索している最中のようだ
「まだ決まってないのか?戦闘法」
「そうだな、すぐには見つからんもんだ」
数名は見つかってるが、と少し離れた方で各々素振りや筋トレをしているものたちを見てゼファーは肩を竦める。ああやって即決した者は面倒で決めたか、本当に自分の中でしっくりしたかの二択で伸びる伸びないが目立つそうだ
「すみませんゼファー教官~、剣術と体術両方鍛えときたいんですけど構いませんかねぇ~」
「構わんが……剣は扱ったことがあるか、クマラさん」
「ないな。斬撃は飛ばせるが術は知らん」
身体を極限まで鍛え上げたものが使える技の事を言ったクマラだったが、斬撃飛ばせて術は無いのかとゼファーに呆れられた。相当なテクニックが居るぞというゼファーに知らんがなとクマラは答える
取り敢えず体術はクマラ、剣術はゼファーが教える事となり、暫くは体術と言われた男は快く返事をする。クマラよりも大きな身体を持つ新兵は、スっと小さく屈んでクマラを見た
「新しい教官さんですよねぇ~?宜しくお願いしますよ~」
「あぁ、四ヶ月の間だけだがな。宜しく頼む」
新兵にそう言ったクマラはゼファーに聞いていた予定表などに目を通し、先程話していた新兵には取り敢えず体術を教えようと体術と決まったもの達を集めた。先程の男の他にも、どうやら体術以外を習いたいものは居るようで背中に竹刀を提げている者もいる
「今は体術だ、竹刀は下ろしておけ。背中に背負ってると後ろに反る時邪魔になる」
新兵の身体を解させつつ、注意事項等を説明していくクマラ。新兵達は、自分達と似たような海兵服に身を包みつつ教官の腕章を付けているクマラにただただ従う