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平等な死などない【ワンピース】

第8章 親友の定義※


ロジャーはクマラを愛していた。恋をし、焦がれ、いつしか愛し愛されたいと願う様になっていた。親友ではあるが、自分の感情と相手からの気持ちが関係してか傍に居てもどこか遠く感じる。そんな気持ちにロジャーはいつも焦れったく思っているのだ

そんな中、レイリーとのクマラが関係する情報交換でロジャーは知ったのだ。クマラは“色んなこと”に疎い……と

基本エルバフでクマラは知識を培った。関係性を表す言葉や感情の名前、価値観など様々。ただ、知識だけで実際にそれを体現した事は少ない為修正を加えられると信じ込みやすい性質にある。他にも人の顔を2・3度以上見なければ名前と一緒に覚えられなかったりなど、少々人の顔を記憶しずらい体質でもあった。顔の件はどうやってもクマラにとっては治る見込みのないものだ

知識等の話を聞いたロジャーは、最初こそそうなのか程度の気持ちでいた。だが、息子がいると聞いてからロジャーの頭にはとある感情が浮かんでしまう

(俺も、もっと愛されたい。子供が出来る位のことをされたい)

つまりは……嫉妬だ。嫉妬をしたのだ、ある人物に。自分の愛する人と子供を成した存在が酷く憎く思える程。嫉妬で少し正常な考えが出来なかったロジャーは、今の行動に至った。相手の性質を利用した、親友としてしてはいけないと思われる事を

最初こそそうなのか?と首を傾げていたクマラも、そこでは、自分の価値観では親友とはそういう意味だけ、こういう意味もあると言われればそうなのかもと思い始める。完璧に理解していないと考えると、探究心が人一倍なクマラはそれを知りたくなる訳で

「ロジャー、処女は痛いと聞いたことがあるが大丈夫なのか?」
「だ、大丈夫だ!それは最初だけらしい」
「そうか」

実は前々から練習をしていたなどとは口が裂けても言えず、ロジャーは媚薬ローションで勃起していくクマラのそれを見つめた。まだ触られてもいないが、この後のことを考えて興奮したのか身体中がゾクゾクとした感覚で満たされ始める

「俺も初めてだ、なるべく優しくするが痛かったら言ってくれ」
「わっ、わかった……」

耳元で囁かれ、思考回路が停止し掛けたロジャーはクマラの背中に腕を回す。耳元で感じる吐息に、罪悪感は考える力と共に消え去った
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