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平等な死などない【ワンピース】

第7章 ゴッドバレー事件(※)


地下牢生活から時が経った。時計もなく、空を拝むことが出来ていないため何日が経過したかは定かではない。食事を持ってくる頻度もまちまちで、日数を数えるのも難しい

なにかないか、面白いこと。そう思いつつゴロリと横になったクマラはゆっくりと目を閉じる。やる事が無いので過去の記憶を振り返ることしか出来ないのだから、何度も何度も、昔の事を振り返ってはほくそ笑む。今はどうだろう、楽しく生きてるか?なにか辛いことはないだろうかと考えるだけで、少しは時間が潰れるのだ

いつも通りそうしていると、クマラの耳に遠くの方で何かがあったと思しき音が入ってきた。起き上がったクマラはそのまま檻に近づけるだけ近付き、耳を立てる

ガチャン、鍵が開く音がした。次にへなへなと覚束無い足取りで走っているような足音。それが近づくのをクマラはただただ待ち続ける

「い、いたえ~!早くここから抜け出すえ!」
「?」

そこにいたのは、小さな小さな子供。特徴的なサングラスを掛けた幼い子供だった。まだ3歳くらいの天竜人の子供に、どうしてこんな場所に来たんだと目を細める

許可は得たから、とクマラは枷をとる。さぁ次は首の爆弾だとそれに手をつけるも、単純に引っ張るだけでは駄目なのかピピピッと音が鳴って起爆する

「いって……」

爆破した枷によりクマラの頭は胴体と別れた。ジリジリと焼ける感覚を首に感じつつ、檻にぶつけた頭をさすろうとして離れていることを自覚する

クマラは檻の方まで飛んでいってしまった頭を持ち上げ、ゴリゴリと首筋に合うようはめ込む様に動かした。溢れる血が治まった頃には、首もちゃんと胴体に引っ付いている

そこで、クマラは自分を震える体で見上げる子供に気付いた。怖いと思っているはずなのに、目が離せないと言った状況だ

「……なんだ」
「お、おまえ……人間じゃないのかえ……?」
「そうだな、とうの昔に人間という身分は捨てた」

奪われたの方が正しいのか?と少し言葉を漏らしつつ、今は関係ないかと鉄製の檻を腕力でへし曲げて自分が通れるスペースを作る。ん!と抱っこをしろと言いたげに腕を広げた子供に、先程まで怯えていたくせにと思いつつその身体を抱き上げた。軽くて、柔いその体にクマラは目を細める
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