第3章 若き四人の海兵
あの後、気の済むまで海賊たちを蹂躙していったクマラは身体に多くの傷を置いつつも敵の殲滅に成功した。子供は無傷で、気絶しているためこの惨劇を目にすることは無い
血反吐を吐きつつ、まだ体術が甘いなと自分の戦闘能力の分析をしている間に生き残った海兵4人が立ち上がった。戦闘中幾度となく致命傷を与えられたクマラの傷が徐々に癒えていくのを見て、一人の海兵が口を開ける
「……不死身のサマト」
男のその言葉に振り向いたクマラは、その冷たい瞳を四人に向ける。ジーッとそれらを観察したかと思えば、クマラは何事も無かったかのように歩き始め少年を抱き上げた
そのまま血の海を歩き、避難所の方まで歩き始めたクマラに慌てて無傷の方の男が呼び止めるが、クマラはそれを無視して避難場所へ足を運んだ。成人した大人の事などどうでも良いが、まだ誰かが必要な歳である子供には、どうしても世話を焼いてしまう物だとクマラは軽く息を吐く
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「海軍に来いよー!!」
「行かない」
「こいってー!」
あれから数日後。海軍の迎えが来た四人は手当を受けたり事情聴取を受けたりと忙しい日々を送っていた様だが、島から離れるとなった時に偶然にもログが溜まり島を出ようとしていたクマラを見つけ、軽く拘束。特に先日無傷だった男、モンキー・D・ガープはこれでもかと言わんばかりの怪力でクマラを引っぱっていた
「お前強いんだろ!?うち来いよ!一緒に戦おうぜ!」
「興味無い」
「えー!!」
中々引かないその姿にクマラが呆れていると、生き残った海兵のうち一人であるセンゴクがクマラの前に現れた。相当の怪我を負ったのか、手当後のその姿は痛々しくボロボロである
センゴクの姿になんとも思わないクマラは、ただ邪魔なだけの彼に片眉をあげる。それを見てセンゴクも少し怪訝そうな顔をしたが、それよりも何か思う所が勝ったのか口を開いた
「貴方の血は、どんなものでも治せるという話は本当ですか」