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平等な死などない【ワンピース】

第3章 若き四人の海兵


誰かが相手するなら、自分は当然要らない。そんな思考でその場から離れたクマラは少し離れたところでサンドイッチを買い、平然と食事をしながら街を散歩した。海軍船が到着し、港近くでは海賊との乱戦になっているというのに彼は呑気にそちらの方に歩きながらサンドイッチを頬張る

「おいお前!早く避難しろ!」
「?」

海軍の者なのか、呑気に乱戦の起こっている場所に歩いていくクマラを男性がとめた。俺は大丈夫だ、と言って聞く耳持たぬクマラに男は深いため息を吐いてクマラの腕を掴む

「あっちじゃ俺の仲間が気を引いてくれてるんだ!今のうちに避難してくれ!」
「だから、大丈夫だと言っている」
「あーもう!話聞かねぇなぁ!」

しびれを切らした男は強引にクマラの腕を引っ張り、こっちに行こうとクマラの進む方向とは逆の避難場所へ向かわせようとする。クマラも食事中の暇潰しにどんな様子なのかを見るつもりだった為引かず、相手よりも強い力でグイッと前に進んだ

力では負けるのか、男はよろめきクマラの突き進むがままに引っ張られる。頑なに自分の考えを改めないクマラにむしゃくしゃした男は「もうしらねぇからな!」とクマラと共に仲間のいるという場所まで向かい始めた。腕はそのままで走り出した男にクマラも一瞬驚いたが、久々の運動だと思い何も言わず着いていく

「センゴク!おつるちゃん!ゼファー!」

男とクマラが着いた先には、若い少年を人質にとる海賊団の船長と思しき人物と、人質を取られ身動き出来ずズタボロにされた海兵達が横たわっていた。生き残っている三名の海兵たちも虫の息である

三人に駆け寄る男の服を目にした海賊は、すぐさま残りの体力のない三人と集中力が散漫していた男に斬りかかる。男がそれに気づいた時には目の前に海賊が居り、振り下ろされる剣をどうするべきか思考が一瞬停止した瞬間

「……子供を、なぁ」

そんな言葉が男の耳に入ったと思うと、目の前で剣を振りかざしていた下っ端海賊が右腕の肘から先がない状態で地面を転がっているのを目撃した。何が何だか分からない男に、また言葉が聞こえてくる

「まだ未熟で未来のある子供に手を出すのは……少々腑に落ちんな」
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