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平等な死などない【ワンピース】

第3章 若き四人の海兵


一人、クマラはとある島にて地面を真っ赤に染めあげていた。その背後には傷だらけの四人の男女がいる

───事の発端は数時間前に遡る───

エルバフを離れ十数年。ログポースの通りに進んでいたクマラは、島という島に流れながらそのログの向かう方向を学びつつあった。現在クマラが向かっている方面は、グランドライン前半の海

彼女の噂を聞きつけてはいるが、そちらに行く方法を知らずただ流されるだけのクマラ。途中から元気だという情報を聞いて満足していた為か半場諦めで波に揺られている

そんなある日、何度目かの上陸を果たしたクマラはその島でのログの溜まり方と軽い食事でも取ろうと街に出た。中々大きなその島は賑わいを見せており、様々な人が入り乱れている。ここまでの大人数は久方振りだとクマラ自身も少しドギマギしていた

ひとまずなにか口にしようと近くの飲食店に入ろうとした瞬間、街が急に雰囲気を変えた。戦いを生き抜いたクマラだからこそ分かる、平穏とは真逆の殺伐とした空気に

一先ず様子見をするべく近くの路地裏に入り、そのまま建物の上へと登ったクマラは港に海賊旗を掲げた船が停まっていることに気付く。見覚えのない海賊旗である事から、最近海賊団をつくったシャーロット・リンリンでは無い事は確認できた

聖地マリージョアの近くに位置するこの島で海賊旗を掲げるとは、余程力に自信があるのかとクマラは首を傾げつつ様子を見続ける

不死身で死ぬ事の無いクマラがどうして突撃しないのかは、単純に「相手のことを全く知らないから」であった。事前知識なく追い詰めては可哀想だろうと考えた結果の行動である。ただ、もし凶悪な海賊だった時の事など彼の頭にはない。所詮この街のもの達はただの他人だからだ

何かあれば行動に移す。それでいいだろうと思う彼の視界に別の存在が姿を現した。カモメを旗に印し、背中には正義を背負うもの達の船だ

あいつらに任せればいいかと、今すぐにでも殺されかけそうな一般人を無視して踵を返したクマラ。シャーロット・リンリンの事があり子供にはとんと甘いクマラだが、それ以外の……仲間認識のないただの大人の事など、彼にとっては本当に“どうでもいい”のだ
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