• テキストサイズ

平等な死などない【ワンピース】

第13章 出会いと別れのログ


「あっ、これ俺欲しい!」
「それは他のやつに上げるんだよ」
「えー!」

クマラの船に初めて入れさせてもらった二人は、妙に多い置物に目を向けつつ自分たちが欲しいものもちゃっかり選抜していく。貰い物を譲る訳にもいかず、クマラが贈るつもりのものにばかり興味を示すからクマラもため息を吐いた

「あ、要らないものならやるぞ」
「なになに?」

なにか思い出したかのようにクローゼットに近付いたクマラは、ハンガーにかけてあったマントとコートを取り出す。それを見たシャンクスとバギーは輝いた瞳で、「かっこいい!」とそれぞれ手を伸ばす

シンプルなものが好きなシャンクスは黒の単調なマントを、バギーは肌触りのいいファーの着いた少し派手だが白で品のあるコートを選んだ。被らなくて良かったと顔を見合わせる二人にクマラは口元を緩ませる

「それが気に入ったならやる。どうせサイズが合わんからな」
「それ俺達もだぞ」
「お前たちはこれからでかくなる」

俺は縮まらないと、180cm代の物なら着こなせるであろう二人にあげたマントやコートは丈が合わない2m以上ある背丈のクマラは口にした。俺たちだってクマラさんくらいでかくなるかもと言うが、クマラは特に気にした様子もなく「要らんなら返してもらおう」と手を伸ばす

無論いらないわけではない二人は、グルグルと腕の中で畳みこんで各々貰った羽織ものを腕に抱えてそこから逃げ出した。クマラはそれを見送り、肩を竦めつつお目当ての腰飾りを手に取って船を後にする

「まだいるか?あの子供」
「お前が帰ってきたとわかると途端に元気になったよ」

クマラが輪に戻ると、待っていたレイリーが笑いながらとある場所を指さした。クマラが居なくなりしょげていた少年は、クマラの姿を見るととても嬉しそうな雰囲気を出し、その手にはあるものを握ったまま

行ってくるとレイリーに告げるクマラはそのまま子供の方へ歩き始めた。それと入れ違いで、クマラからマントやらコートやらを貰った二人がレイリーに駆け寄る

「見てくれレイリーさん!クマラさんがくれた!」
「おぉ、良かったじゃないか」

子供達の笑顔にレイリーも笑顔になりつつ、まぁこんな日も良いだろうと酒を煽った
/ 139ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp