第10章 こわい夢
「シグマさんが何だか悲しそうでしたから、駄目でしたか?」
悲しそう?
私が?
「···っ、だめ··じゃない」
「分かりました、ならこうしませんか?」
「えっ?」
ーーーーー·····
カタン
(そうして決めたのが)
「きーら、きーら、ひーかーるー····」
「すぅー····」
時たま私から天音にお願いをする形
不思議と眠れる
そうして必ず見る夢が
ーーーー·····
「○○○、おいで」
「○さん!」
小さい私が顔の見えない女性に抱き上げられる夢
それがどうも嬉しくて
目を覚ますと必ず
ぎゅっ
「あっ。まただ···ごめんね」
「いいえ、シグマさんが安心するなら手を握りますね」