第4章 旧友と看板娘 昔話と恋愛相談
やはり予感は的中していて、昨日の合コンの幹事であるコラさんから連絡がきていた。
“ロー!今どこだ?“
“ロー!今何してる?“
今来た連絡の一つ前の時間を見ると、ちょうど俺とももが二軒目に向かった辺りに送られて来ていたものだった。
確か、あの女幹事と何処かに行ったような気がしたが。
”今は家に居る”と返事を返した瞬間、コラさんから電話が掛かってきた。
『ロー!何してんだァ?返事遅いぞッ!』
「悪い、寝てた」
コラさんは学生時代からの知り合いで、昔通っていた塾の講師だ。
あの頃の俺は自分の裕福な家庭環境と思春期が相まって、荒れに荒れていた。
俺の女遊びの原点もそこから始まったといっても過言ではないのだが、そんな俺を唯一律してくれたのがコラさんだった。
大人になってからは塾の講師と教え子という立場から、何でも話せる良き友人関係となった。
それで昨日の合コンにも、見た目の良い奴を揃えないといけないとかで俺を呼んだらしい。
特別女に興味がないというのもうってつけだったとか。
『って事は、あの子とホテルにでも行ったのか?』
「…あの子?」
『お前の目の前に居た可愛こちゃんだろ!』
目の前に居たという事はももではない。
確かに昨日はももと離れた席で話もロクにしなかったため、コラさん的にはそういう考えになるだろう。
「いや違う、別の奴だ」
『別の奴ってもしかして、ナミちゃんの友達か?』
「ナミちゃん…?」
ああ、昨日の女幹事だ。
『その反応は図星だな!』
「…コラさんこそ、その女幹事と親しそうに見えたが?」
『それがよォ…!』
コラさんの話によると、女幹事と知り合ったのは昨日が初めてではないらしく、以前違う合コンに参加した時で、互いに意気投合し、もっと質の良い合コンを開こうという話になったそうだ。
『昨日はナミちゃんといいところまでいけるかなァなんて思ったら、また飲みましょうで終わっちまったんだよッ…!』
いいように使われてるな、コラさん。
そういえば女幹事ともゆっくり話してはいないが、おそらく相当頭がキレる奴だと思った。
俺も含め、男連中全員に愛想を振りまいてはいたが、ももの事をしきりに気にしていた。