第8章 届かない宝 【カリム・アルアジーム】
□届かない宝 (カリム・アルアジーム)
◆◆◆◆◆
「これも食え!!ソレからコレと…あと…」
「まっ、待って待って!!」
昼食は彼女と2人で取ると決めた。
「遠慮するな!!」
「遠慮じゃないんですって!!!」
「……………?」
ジャミルに1人の時間を与えたい。と、アズールに相談したら『では、好きな方と2人で昼食を取りたいと言えば良いのでは無いですか?それ位なら彼も妥協するでしょう。』と言われたので、これ名案と監督生を誘いここ数日2人きりで昼食を取っている。
「そんなに毎日沢山食べたら太ってしまいます。」
「女の子はそういうの気にするって言うもんな!」
きっかけはジャミルかもしれないが、せっかく一緒に居るのだ。彼女にも満足して貰いたい。
「俺は、もっとモコっとしてても好きだぞ!!」
「そ、そういう問題じゃないんですよ!!」
「じゃあ、食った分踊ろう!!」
「え!?いや…あのカリム先輩っっ!?」
太るのが気になるのならたくさん踊れば良い。それで全て解決だ。と、彼女の手を取ると、一瞬目を見開いたあとクスクスと笑いだした。