第7章 出来損ないの魔女【ヴィル・シェーンハイト】
「絶対!!世界一綺麗で格好良いヴァンパイアじゃないですか!!素敵っ!!!」
目を輝かせるこの魔女が唯一使える魔法に、その日は大人しくかかってあげようと思う。
「馬鹿ね。なに当たり前の事言ってんのよ。」
熟れた赤い果実がたとえ毒でも
__、、全て喰らい尽くしてやろう。
「ふっ、ふふっ。それもそうですね。」
「…あ、ちょっと。生理中なら尚更カフェインの摂取は厳禁よ?次からルイボスティーにしなさい。」
「………う、は、はい。わかりました。」
世界一美しいヴァンパイアが出来損ないの魔女のために鋭い牙をそっと隠した。
____そんな、甘い夜の話。