第6章 幸せの記憶 【ジャミル・バイパー】
「ジャミル先輩!!」
「……ん?」
もう一度、ちゃんと伝えよう。
「誕生日、おめでとうございます!!」
「そう何度も言わなくても聞こえてる。」
「何度言っても足りないんですよ!」
何度も何度もしつこいくらいに伝えよう。
「ありがとう。最高の誕生日だよ。」
大好きなジャミル先輩の誕生日。
大遅刻をしたけれど、今こうやって笑ってくれているから。きっとプレゼントは成功したんだろう。
【いつか、この人の夢見る世界を贈りたい。】
そんな身の丈に合わない野望を抱いた、特別な夜。
_____Happy birthday。